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一般的に補聴器は対面販売であるべきだとされています。

なぜでしょうか?

よく言われるのは、個人個人に合わせた調整が必要なので、ということです。
聞こえは一人ひとり違います。その聞こえにあわせた調整は必ず必要になります。
通信販売や安価な補聴器では調整機能を持っていない場合もありますが、それでも最低限音量の調整は必要になります。

もちろん、そういった場合はご使用になるご本人による調整も可能です。
しかし、その音量が適したものであるかは客観的な判断が必要になります。
難聴者のきこえはとても難しく、音量を上げすぎると逆にきこえにくくなります。耳を傷める危険性もあります。
自分で耳を傷めるほど大きな音にはしない、と思われるかもしれませんが、環境や相手の話し方が原因で聞き取りにくい場合に極端に音量を上げようとされることはよくあります。

専門家による調整をお勧めする理由はそのためです。

他にも対面販売が望ましい理由があります。
それは次回述べたいと思います。

補聴器の販売方法_対面販売・通信販売_2

こちらも参照ください。

通販補聴器・集音器・助聴器

●自分に合う補聴器とは?

補聴器選びの際によく言われる事で
「高価な補聴器が良いとは限らない。安くても自分に合う補聴器を選びなさい。」
というのがあります。

確かにその通りです。何十万もする補聴器よりも10万弱の補聴器の方が良い、という場合も少なからずあります。

しかし勘違いしてはいけないのは、全ての人が安価な補聴器の中から「自分に合う補聴器」を探し出せるわけではないということです。
もちろん無意味に高い物でないといけないわけではないので、価格と性能の面で、自分にはどこまで必要かということを見極める必要があります。

聴こえの状態はその人によって千差万別です。聴力検査の結果が全く同じ人がいたとしても、同じ補聴器では合わない場合もあります。
耳鼻咽喉科医や補聴器技能者には、合わない補聴器を判断する事は出来ますが、データだけでは一番合う補聴器を選ぶ事は出来ません。条件や効果を測りながら最善の物をご本人様と一緒に探して参ります。

「自分に合う補聴器」を探す上のポイントを下記で述べます。

・デジタルとアナログの違い
感音性または混合性難聴で補聴器の経験が浅い方は、基本的にコンプレッションの働くデジタルの方が合うと思います。
ただし、アナログの使用経験が長い方はデジタルでは合いにくい場合もあります。
伝音性の場合はアナログの方が良い場合も多いと思いますが、大きな利得(増幅幅)が必要になりますのでハウリングが起こりやすくなります。その様な場合はハウリング抑制付きのデジタルをリニア的な調整でお使い頂くこともできます。

コンプレッション、リニアについては「リニア/ノンリニア増幅」をご参照下さい。

・メーカーによる違い
近年のデジタル補聴器は、一つのDSP(デジタル信号処理装置)の機能をどこまで使うか、ということで価格が決まってきます。
そのため、どの機能が必要かを見極めることで最適な補聴器を選ぶ事が出来ます。
また、メーカーが変われば音質も機能の働き方も異なりますので、あるメーカーの高価な機種よりも他メーカーの安価な機種が良いという事があります。試聴した補聴器が上手く合わない場合は、別のメーカーで試す事で解決する事もあります。
ただし、同一メーカーのシリーズの中では、高価な機種より安価な機種の方が合うということは形状の違いによるものを除けば普通ありません。

補聴器は買ってからの調整やメンテナンスが、買うまでの機種選びと同じくらい重要です。お店とは長い付き合いになりますので、親切に相談に乗ってもらえて信頼できる補聴器店をお選びになることをお薦めします。

●アフターサービス

補聴器は、使われる方それぞれの聞こえに合わせて調整してはじめて使えるものになりますが、出力をただ聴力のデータから計算した数値にあわせているだけではありません。

気になる音や不快感等、違和感や不具合を調整を繰り返しながら改善していきます。しばらく使ってみないとわからないこともありますので、着け始めのときは何回か微調整をしてもらったほうがいいです。もちろん完全に違和感がなくなることはあまりないですが、一番自分の使いやすい所をお店の人と一緒に探していくのがいいと思います。

オーダーメイドの耳穴形の場合は、形が完全に合わないこともあります。
着けてると痛いとか、ハウリングがひどい(ピーピー音がする)場合は形が合っていないかもしれません。
作ってからある一定の期間は無償で作り直しが出来ますので、遠慮なく相談しましょう。
期間はメーカーによって異なりますが、2ヶ月くらいだと思います。それ以降は有償になり、オーダーメイドの型の作り直しは高価であることが多いので、出来るだけ早いうちに相談してください。
※これは保証期間とは異なります。

●故障・耐久性

一般的に、補聴器の寿命は4,5年くらいと言われます。ただ、10年くらい使っておられる方もいらっしゃればもっと早い時期に買い換える方もいらっしゃいます。
故障しても、かなり前に製造中止になって部品がない、等でない限りは修理が出来ますが、痛みがひどいと修理費が高くついたり、新しい機種もどんどん出てきますので、そういった理由で買い換えられることが多いと思います。

体に装着して使うものなので、一般的な電気製品より故障は多いです。
一概には言えませんが、形によって下記のような故障が多く発生します。

・耳穴形
耳垢による機器の劣化

・耳掛形
汗による腐食、劣化

・箱形
コードの断線

・共通
内部の接触不良
落下による破損

どんな故障であれ、修理の可否も含めて見積もりはしてもらえますので、補聴器店に相談してみてください。

●補聴器の値段

補聴器は、聴力の測定やカウンセリングを元に調整してお渡しすることを前提とした設計になっています。価格の中には再調整や日常点検の費用も含まれます。保証期間終了後の修理は有償になりますが、再調整や点検は原則無料です。
種類(デジタル/アナログ)や形によってかなり価格帯も変わってくるので、下図に示します。

補聴器の価格帯

補聴器の価格帯

同じ種類、形でも幅があるのは、出力、機能の充実度合いの差によるものです。
出力に関しては高い方が、機能面では充実している方が高価になります。
機能といっても特に操作が必要になるものは少なく、状況に応じて自動で働くものがほとんどです。「高機能になると操作が難しくて使えない」ということはあまりないと思います。

●補聴器の性能

現在の補聴器にある代表的な機能を下に列挙します。

○アナログの機能
・音質調整
低音域や高音域の出力を抑える事で音質を調整します。聴力のデータを基に調整しますが、最終的にはご本人の聞きやすい音質に合わせます。
・出力制限
強大音で耳を傷めない様に、出力を制限します。ピークカットという方式が多く、突出した成分を「切り取る」ため、大きな音が入ってきたときは音がひずみ、割れて聞こえます。
・騒音抑制
騒音になりそうなところをカットします。一般に低音域を抑えます。
○デジタルの機能
・音質調整
考え方はアナログの物と同じですが、デジタルの方がより細かい調整が可能です。
・出力制限
強大音で耳を傷めない様に、出力を制限します。大きな音が入ってきた時は自動的に感度を下げるため、音をひずませることなく出力を抑えます。
・騒音抑制
会 話の邪魔になる騒音を抑えて言葉を聴きやすくします。入ってきた音を分析し、音を細か周波数帯に分けて騒音が多い部分の感度を下げます。分けられた周波数 帯を「チャンネル」や「バンド」等の言葉で表現しています。これらの数値が大きいほど細かく分けられているので騒音抑制の精度も高いということになりま す。(メーカーによって仕組みは異なるので、それだけでは判断できませんが。)
・ハウリング抑制
ハウリングとはピーピー音です。補聴器が自分で出した音を拾い、それを増幅して出す、さらにその音を拾って増幅する、ということを繰り返してピー、と鳴ります。
このハウリングが起きにくくする機能です。方式は2種類あります。
「ノッチ方式」
ハウリングが起きそうな周波数帯の感度を下げて、ハウリングを抑えます。
「逆位相方式」
ハウリングの音に、位相を反転した音をぶつけて打ち消します。
必要な感度を下げずにハウリングを抑えるため、逆位相の方が優れていると言えますが、いずれも絶対にハウリングしないというものではなく、状況が悪ければ抑えきれないこともあります。(※方式の呼び名は他にも色々あると思います。)
・指向性
後 ろからの音を抑えて、正面の会話を聴きやすくする機能です。「後ろから話しかけられたり、車が来たりしたら気づかないんじゃないか?」と、心配になります が、後ろの音を完全に入れないわけではないですし、通常は全方向の音を満遍なく拾い必要な時だけ指向性が働く機種が多くなっています。比較的上位の機種に なりますと、複数の騒音源をとらえて追尾しながら抑えるといったことを自動で行います。
・アンチショック
衝撃音を抑えます。出力制限と違い、突然入ってきた音を抑えるため、さほど大きい音でなくても感度を下げて驚かないようにしてくれます。
・風切音抑制
風による雑音を抑えます。
・プログラム切り替え
複数の設定を補聴器に覚えこませて、状況に応じて切り替えることが出来まる機能です。これは自分で操作する必要がありますが、ややこしければ使わなくても問題ありません。

これが全てではありませんが、これらの機能が入ってるか入っていないか、どのくらいの程度で効くか、等により価格が変わってきます。
デジタルの方が機能が多く選択の幅も大きいので、価格の幅も大きくなっています。

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