補聴器Q&A どうして補聴器は両耳に装用した方がいいの? 2021/12/17
両耳の聴力に極端な差がなければ、左右の耳に補聴器を着けることをおすすめしています。
しかしお客様から、「なぜ補聴器は両耳につけた方がいいのですか?」と聞かれることがよくあります。
そこで今回はその主な理由についてご説明いたします。
1. 音の方向感・距離感がつかみやすい
人間は、360度からの音の情報を左右2つの耳で集めており、両耳から音が入ってくることによって、音の方向感・距離感がつかみやすくなっています。
音の方向や距離感がつかみやすくなると、後方から接近してきた車の音に気づいたり、人からの呼びかけに適切に対応できたりと、さまざまな危険から身を守ることもできます。
2. 騒音下でも聞き取りやすい
補聴器を片耳だけに着けた状態では、入ってくる音の情報量が少なくなるため、聞き取りは自ずと難しくなります。当然ながら、騒音下での聞き取りはより困難になってしまいます。
やはり同じ音でも、片耳より両耳で聞く方がよく聞こえるのは言うまでもありません。また両耳でしっかり聞こえれば、必要以上に補聴器のボリュームを上げずにすみ、ハウリング(ピーピー音)の発生も少なくなるといったメリットがあります。
3. 聴覚機能の衰えを防ぐ
片耳だけで補聴器を使うと、使っていない側の耳が刺激されにくいため、その耳の聞き取り能力が低下してしまいます。
また音を聞いているのは「耳」ですが、音を認識し言葉として理解するのは「脳」の役目です。
つまり、耳の機能が低下するということは、脳の衰えにもつながるということ。
脳を含めた聴覚機能を維持するためにも、両耳から音を聞くというのはとても大切なことなのです。
ただし、左右の聴力差が大きい、装用による耳の負担感などの理由により、片耳だけの装用になるケースもあります。
その場合、基本的には比較的よく聞こえる側の耳に装用します。