補聴器関連

ひとの声の周波数は? 2025/05/22

【要約】人の声の周波数と補聴器調整の基本ポイント

補聴器の調整では、声の周波数特性を理解しておくことが重要です。
この動画では、人の声の構造と、それに基づく補聴器フィッティングの考え方についてお話ししています。以下に主なポイントをまとめます。

■ 声の構造と周波数帯

  • 基本周波数: 男性は約85〜180Hz、女性は約165〜255Hz。
  • 倍音: 基本周波数の整数倍の音が重なり、声の厚みや個性を作る。
  • フォルマント: 口や喉の共鳴で強調される周波数帯。母音の識別に必要。
  • 母音の主な帯域: 300〜2000Hz。特にF1・F2が明瞭度に関与。

■ 補聴器調整における周波数別の役割

  • 500〜2000Hz: 会話の明瞭さに最も影響。母音の聞き取りやすさに直結。
  • 〜300Hz: 声の自然さや低音感に寄与。ただし環境雑音も多く、調整には注意。
  • 2000Hz〜4000Hz: 子音(特にサ行・カ行など)の識別に関係。明瞭度向上のカギ。

■ 聞き取りにくさと話者の違い

  • 「女性の声が聞き取りにくい」と感じる方が多いが、原因は周波数だけではない。
  • 話し方、滑舌、語尾の明瞭さなど、非音響的な要素も関係している。

■ 現場で活かすポイント

  • 「誰の声が聞き取りづらいか」のヒアリングは、調整方針の手がかりになる。
  • 中域を基本に調整しつつ、必要に応じて高域や低域を微調整。
  • 子音が聞き取りづらい場合は、3000〜4000Hz付近の補正も検討。
  • 過剰な利得設定は、雑音増加や不快感につながるため注意が必要。

声の周波数構成を理解することで、補聴器の提案・調整の説得力も高まります。