学習コンテンツ(トップ+全6部)
ことばを聞き取り、理解する仕組み
声が聞こえることと、ことばが分かること
「声は聞こえたけれど、何と言ったのか分からなかった」
「一つひとつのことばは分かったけれど、何の話なのか分からなかった」
どちらも会話の中で起こる「分からない」ですが、困っているところは少し違います。
私たちは会話をするとき、届いた音から母音や子音、音の長さや高さの変化などを捉え、それを知っていることばや意味と結びつけています。さらに、前後の話のつながりや、その場の状況、相手の口の動きや表情も手がかりにしています。
つまり、ことばを理解するには、音を聞く働きと、ことばや状況を理解する働きが関わっています。
このページでは、まず会話が伝わる全体像を見渡し、日本語では何を聞き分けているのか、その違いが音のどこに表れ、どのような体の動きで作られるのかを、図や実際の録音を使ってたどります。専門用語は、具体例とともに意味や読み方を説明していきます。
その途中では、聞き分けにどのような聴覚の働きが関わるのか、聞こえにくくなったときに、どんな手がかりが利用しにくくなるのかも考えます。
学ぶ目的は、仕組みや用語を覚えることだけではありません。聞き取りにくさを整理し、伝わりやすい会話の方法を考えられるようになることです。
音を届きやすくする、話し方を工夫する、話題を先に伝える、文字や見える情報を添える。それぞれの方法が何を助けるのかを理解し、本人に合った方法を一緒に選ぶことへつなげていきましょう。
まずは、話し手の伝えたいことが、聞き手に伝わるまでの全体像から見ていきます。
全体の目次
- 第1部ことばが伝わる全体像「そこに置いてください」を例に、声が届くことと意味が伝わることの違い、文脈や見える情報、確認のやりとりの役割を見ます。
- 第2部聞き取りにくさを分けて考える「分からなかった」を、声に気づく・音を聞き分ける・ことばとして捉える・意味を理解するの4つの観点に分けて考えます。
- 第3部日本語では何を聞き分けるのか「おばさん/おばあさん」「きて/きって」「雨/飴」などを例に、音の種類・長さ・高さの手がかりと、モーラと音節の数え方を整理します。
- 第4部その違いは音のどこにあるのか実際の録音を波形・スペクトログラム・スペクトルで見て、基本周波数・倍音・フォルマントの違いと、手がかりを捉える聴覚の働きを結びつけます。
- 第5部その音と口の動きはどう作られるのか息・声帯・舌・唇の働きから音の作られ方をたどり、子音一覧表で全体を確かめながら、口の動きで分かること・分かりにくいことを考えます。
- 第6部会話の支援へ戻るここまでの仕組みを、音を利用しやすくする、話し方や伝え方を変える、文字や見える情報を添える、一緒に確認するといった工夫につなげます。
